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Pickup特集 生誕300年の時を経て蘇る 天才絵師 伊藤若冲

裕福な家庭に生まれ40歳から画家に専念

 1716年、京都の青物問屋の長男として誕生。23歳の時に当主である父親が亡くなり、家督を継ぎ、30歳を前に絵の勉強を始め「若冲」と改名します。40歳の時に家督を弟に譲り画家に専念。

 裕福な家庭に生まれた若冲は高級な画材や被写体・人脈に困ることは無く好きなだけ絵を描くことができる、画家としては類まれな恵まれた環境の中で作品を生み出しました。80歳で亡くなるまでに数多くの作品を描き上げ、稀代の天才と評されました。

鹿苑寺大書院 双鶏図 (ろくおんじ おおじょいん そうけいず)

鹿苑寺大書院 双鶏図 (ろくおんじ おおじょいん そうけいず)

年表

1716年 1歳 京都高倉錦小路の青物問屋の長男として生を受ける。名は汝鈞、字は景和。
1738年 23歳 父親が他界。家督を継ぐ。
1745年頃 30歳代 名を若冲と改名し作画を始める。相国寺の禅僧・大典顕常と知り合う。
1755年 40歳 弟に家督を譲り、画家に専念。
1758年 43歳 「動植綵絵」を描き始める。
1759年 44歳 鹿苑寺(金閣寺)大書院の依頼により障壁画「葡萄小禽図」を制作。
1764年 49歳 金刀比羅宮奥書院の障壁画「花丸図」を制作。
1765年 50歳 末の弟が他界。相国寺に「釈迦三尊像」と「動植綵絵」二十四幅を寄進。
1766年 51歳 相国寺に寿蔵(生前墓)を建立。「動植綵絵」の六幅を完成させ寄進。
1769年 54歳 6月17日の相国寺 閣懺法(かくせんぽう)の法要で「釈迦三尊像」と「動植綵絵」を公開。
1771年 56歳 高倉錦小路の青物市場の営業をめぐる争議で、尽力し解決に導く。
1776年 61歳 この頃、石峰寺の「五百羅漢」に着手。
1788年 73歳 京都大火で居宅とアトリエで焼亡し、大阪に避難。
1790年 75歳 大病を患う。西福寺「仙人掌群鶏図襖絵」を制作。
1797年 82歳 「像と鯨図屏風」(MIHO MUSEUM) 制作。
1800年 85歳 没。石峰寺に葬られる。

若冲の多種多様な作品

 若冲の作品は他の絵師に比べると、多種多様な方法を用いて描かれています。裕福な暮らしをしていた若冲は、絵を描くために必要な高級な画材などすべて手に入れることができたためだと思われますが、驚くことに、そのほとんどを独学で習得したといわれています。被写体に対する思い入れも相当なもので、鋭い観察眼と豊かな表現力で多種多様な作品を描いています。

 作品を鑑賞する際には、作品による技法の違いや被写体に対する観察眼や想像力に注目してみてください。稀代の天才と称される若冲の魅力に驚かされるはずです。

狩野派・光琳派や中国の元・明代の技法をはじめ、墨を用いる「筋目描き」、モザイク画のような「桝目描ぎ」、当時では珍しい「裏彩色」などがあります。また、版画では「拓版画(正面摺)」や「多色摺り」の作品があります。

桝目描ぎ
1センチ四方の桝目を作り、その中に凹凸を表現するモザイク画の様な表現方法。
裏彩色
絵絹の裏から色を着けて、より淡い色や柔らかい色を表現する方法。
筋目描き
にじみやすい紙に墨で描き、墨と墨が重なる部分が浮き出る白い筋目を利用して描く方法。
拓版画(正面摺)
白く残す部分を彫り、上から紙をのせ、掘った部分に紙を凹ませる。
上から紙を黒く塗ると凹ませた部分だけが白く残る方法。

若冲が描く被写体は釈迦三尊像や伏見人形、鶴、犬、象、鯨、野菜、四季折々の植物や水辺の動植物など多種多様。被写体に対する観察眼は作品を見れば一目瞭然。本質を見抜き想像力豊かに描かれています。
なかでも若冲が特に、こだわりを見せたのが「鶏」です。放し飼いにした鶏を一羽一羽よく観察し、表現豊かで躍動感あふれる作品を多く描きました。

  • 普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)

  • 釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)

  • 文殊菩薩像(もんじゅぼさつぞう)

鹿苑寺大書院 松鶴図襖絵(ろくおんじ おおじょいん しょうかくず ふすまえ)

鹿苑寺大書院 葡萄図襖絵(ろくおんじ おおじょいん ぶどうず ふすまえ)

※全て相国寺 承天閣美術館 所蔵

相国寺 承天閣美術館

京都の「相国寺 承天閣美術館」には、本山相国寺・金閣寺(鹿苑寺)・銀閣寺(慈照寺)などに伝わる美術品とともに、若冲の色鮮やかな『釈迦三尊像』や水墨画による『鹿苑寺大書院障壁画』などが、展示されています。
※貸出等の理由により若冲の作品をご覧いただけない場合がございます。

場所:京都市上京区今出川通烏丸東入
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
※開館時間は変更になる場合があります。

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